山口聡一
Soichi Yamaguchi
1983年 千葉県生まれ
2010年 東京芸術大学油画大学院修了
2006年 GEISAI#9金賞、hiromi yoshii賞受賞
2008年 モスクワビエンナーレ参加
2013年 DKNY artworks参加
など国内外で個展、グループ展で主に絵画作品を中心に発表している。
絵画の画面上で起こっている、絵画の完成までの絵具の重なりに焦点を当てたOverlap of paint シリーズを通して絵画の構造自体に興味を持ち制作に取り組む。
Overlap of paint (dot3)
Overlap of paintシリーズは絵画の画面上で起こっている絵具の重なりに注目したシリーズです。
私達は完成時に再表層に乗った絵具を見てイメージを受け取りますが、完成まで描き手によって何度も絵具を塗り重ねられる構造も絵画の持っている魅力の一つであると考えています。
この作品では絵画の技法として用いられる”点描”技法自体をモチーフにタッチが折り重なりながら複雑な色味を作り出す過程、構造を描いています。
私達人間の眼では可視化できないようなミクロの世界、しかし確かにそこにある絵具の重なりのストーリーを通して絵画を捉えなおしたいと考えています。
Overlap of paint (Face)
Overlap of paintシリーズは絵画の画面上で起こっている絵具の重なりに注目したシリーズです。
私達は完成時に再表層に乗った絵具を見てイメージを受け取りますが、完成まで描き手によって何度も絵具を塗り重ねられる構造も絵画の持っている魅力の一つであると考えています。
肖像画は古来から存在する絵画の最も身近なモチーフです。「顔」を描くにしても一人一人も当然違いますし、また描き手との関係性も少なからず作品に影響する部分が他のモチーフに比べて大きいと感じています。
好きな人を描く時、お世話になった恩人を描く時、宮廷画家が自身の仕える人を描く時、、同じ人間を描くにしても、関係性や対象への思いなどにとても幅のあるモチーフとしての「肖像画」に人が人を描くということの面白さを強く感じています。
対象の方とキャンバスを挟んで向き合うことで、自分自身の存在や絵画感を確認しているのかもしれません。
Overlap of paint (Mona Lisa)
Overlap of paintシリーズは絵画の画面上で起こっている絵具の重なりに注目したシリーズです。
私達は完成時に再表層に乗った絵具を見てイメージを受け取りますが、完成まで描き手によって何度も絵具を塗り重ねられる構造も絵画の持っている魅力の一つであると考えています。
絵具を重ねイメージを獲得していく様子を見せるために、絵画の歴史上最も有名な作品であろうモナリザをモチーフに描きました。
モナリザ自体はスフマートという本当に薄く絵具を重ねる技法を用いていますが、描き手が自身のイメージを掴むため、いかにキャンバスに絵具を乗せていくのか?という行為や意識自体にとても強い興味をもっています。
この作品ではそんなモナリザを自身で模写し、自分がどんな順に絵具を重ねたのかを元に描いています。
Overlap of paint (Untyu Fuji)
Overlap of paintシリーズは絵画の画面上で起こっている絵具の重なりに注目したシリーズです。
私達は完成時に再表層に乗った絵具を見てイメージを受け取りますが、完成まで描き手によって何度も絵具を塗り重ねられる構造も絵画の持っている魅力の一つであると考えています。
そもそも絵画は物質的に見ると私達はキャンバスに乗った絵具自体を見ていることになるな。と思った事がこのシリーズのきっかけです。
この作品は同名の横山大観さんの作品をモチーフに描いています。
自身で「雲中富士」を模写し絵具の重なり、タッチの形跡に焦点を当てることで富士山というモチーフが絵具やタッチなど別のものに置き換わって見えることを狙っています。