村瀬都思
Toshi Murase
記憶のかたすみにあるどこかでみたような形や風景を、主にアクリル絵具で描く。
制作時は大学在学時の専攻である日本画を学ぶことで得た感覚をベースに、時にはエアブラシやつけペンなども用いて徐々に絵具を重ねていくことで自分の中のイメージに絵を近づけていき、鑑賞する人の記憶のどこかと自分の記憶の断片が結びつきそうだな、と思えるポイントを探っている。
近年はアーティストインレジデンスに参加(ノルウェー、フィンランド、モロッコ)。
特にモロッコ、Dar Slimane Residencyでの滞在は大いに刺激となった。
近年の展示:
2022 二人展「林明日美・村瀬都思 二人展 -ひかりゆくところ-」アートスペース88/東京
2021 二人展「林明日美・村瀬都思 二人展 -光の道しるべ-」アートスペース88/東京
2019 個展「Floating scapes」Gallery FACE TO FACE/東京
二人展「モロッコ・マラケシュにて 2019. May-June」Gallery FACE TO FACE/東京
2016 個展「Sights」 武蔵野美術大学 gFAL/東京
個展「あいだのこと」 コートギャラリー国立/東京
2015 個展「みつめている」Gallery Forgotten dreams/東京
主な賞歴:
2015 「ART AWARD NEXT Ⅲ」入選
「神戸ビエンナーレ ペインティングアートコンペティション」入賞
「ギャラリーへ行こう 2015」入選
美術新人賞「デビュー2015」入選
損保ジャパン日本興亜美術賞「FACE 2015」入選
2014 「第4回トーキョー・アート・ナビゲーション・コンペティション」大賞
「ギャラリーへ行こう 2014」入選
「TOKYO WONDER WALL 2014」入選
2013 「TOKYO WONDER WALL 2013」入選
「あいちアートプログラム・アーツチャレンジ2013」 入選
Crossing no.2
モロッコで見た織物のようなイメージをもとに、キャンバスという織物の上に折り重なるような線の集積でまた織物のようなものを描いた。
きっちり直角の出ていない微妙に揺れる線の重なりは私にとって、モロッコで見た織物の折り重なりに降りそそぐ暑い日差しと同時に、都市のビル群のような光景も思い起こさせてくれる不思議な仕上がりとなった。
Planted man
父が庭の手入れを手伝ってくれた時に、笹の根をひたすら堀り続け、夢にまで見た。というごく個人的な体験をもとに描いた作品。
人は良くも悪くもなんだかよくわからないことに憑りつかれ、それが離れなくなってしまうことがあって、でもそれが心地よくもあるときがあるな、と思いながら描いた。
Tree
時に40度を超えていると思われる日差しにオリーブや柑橘類、ユーカリの葉が揺れていた。
突き刺すような日差しとアフリカ独特の色彩を、日本に戻ってから現地で手に入れた絵具を使い、思い出すように描いた。
Things in the head
描き進めるうちにそれは目を手に入れ、何かをしゃべろうとし始めた。
言葉というものは便利だが、時として曖昧な事柄を強制的に四捨五入してしまう。何かになる手前の物事を想像することを忘れないようにしたいと思いながらその「ひょい」に少しだけ命を吹き込んだ。