Overlap of paintシリーズは絵画の画面上で起こっている絵具の重なりに注目したシリーズです。
私達は完成時に再表層に乗った絵具を見てイメージを受け取りますが、完成まで描き手によって何度も絵具を塗り重ねられる構造も絵画の持っている魅力の一つであると考えています。
絵具を重ねイメージを獲得していく様子を見せるために、絵画の歴史上最も有名な作品であろうモナリザをモチーフに描きました。
モナリザ自体はスフマートという本当に薄く絵具を重ねる技法を用いていますが、描き手が自身のイメージを掴むため、いかにキャンバスに絵具を乗せていくのか?という行為や意識自体にとても強い興味をもっています。
この作品ではそんなモナリザを自身で模写し、自分がどんな順に絵具を重ねたのかを元に描いています。