ものづくりコラム-目指すものへの共感・縫製

2023/10/17

滋賀県湖東地域。

アートに包まれて眠る、を叶えるもう一つの縫製工場。

日本国内で製造しています

突然ですが、なぜ布団カバーなどの大きな生地製品に無地や幾何学パターン、総柄ものなどが多いかご存知ですか?

その理由は生地の縮変と裁断の関係にあります。生地は織り上げられた段階から何度となく洗いや乾燥を繰り返し、特にプリントを施すとその工程は増えてゆきます。その結果、どうしても多少の歪みが出てしまうものなのです。

その歪みの影響を最も受けないのが無地、あまり受けないのが一定の柄が繰り返す幾何学パターンや総柄というわけ。

一方、FAVORRICのデザインはアート作品。

歪んだからと言って違った箇所で裁断してしまえばアート作品が台無しです。アート作品のように一定の繰り返しではないものを大きな生地製品として仕上げることは、想像以上に困難を伴います。

まさにその最後の砦が、裁断と縫製。今回、FAVORRICにはじめてラインナップされる大型の寝具類。「アートに包まれて眠る」を叶えた縫製工場を訪ねました。

「歪んでいるといっても、これくらいの歪みはふつうの範囲なんです。特に小さいものだったらそんなに気にならない。でも人って、大きなものを見た時、ちょっと真っ直ぐじゃないとすぐに気づいてしまいますよね。大きいものを裁断したり縫製したりということは、そこが一番難しいんです。」

「一点一点、手で裁断していって。絵柄の端のところで歪みを感じるところはちょっと引っ張って、形を整えながらまっすぐに縫い合わせてゆく。そういう細かい調整を行いながら大きなもの縫い合わせてゆく。そういうことである程度、補正はしていけます。手間はかかりますけどね。」

ひとつひとつ職人が手間をかけて仕上げて行くFAVORRICの製品。なぜ、そこまでに手間のかかる仕事を引き受けてくれたのでしょうか?

 

 

「やろうとしていることに共感できる。」

「変化があって、楽しい。」

「やろうとしていることに共感しているということですね。小ロット多デザインというね。寝具を扱っている縫製工場のほとんどが下請けでやっていると思うのですが、いかに1時間あたりの生産量を増やすか、そこしか勝負所がないんです。そこでどうやって生き抜いてゆくか。大量生産は、それはそれでいいものを安くつくるという意味で価値あることですし、私たちも当然頑張ってゆきたい。でもだからこそ、違うところに勝負所をつくれるというのは、工場としても価値があると思ったんです。」

「それにね、つくっていても変化があって楽しいんですよ。刺激があって。次はどんなデザインなのかなーとか。」

本当に好きなものと出会える自由を。そんなFAVORRICの目指すものに共感してくれたからこそ、手間のかかる仕事を“挑戦”と受け止めてくれた縫製工場。

彼ら、彼女らの「手」が、今日も個性あふれるアート作品と心地よい生活の道具を縫い合わせてくれています。

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