アーティストインタビュー vol.04 Chappy 石部奈々美
フェイバリック参加アーティストVol.04
内発的な身体の動きや自然の摂理、本来自身が備えている潜在的な何か(自身の軌跡)をストロークに反映させた躍動感のある作品が特徴的な画家、Chappy 石部奈々美。
Chappy | 石部奈々美プロフィール
1977年生まれ。
武蔵野美術大学短期学部グラフィックデザイン科卒業。
石部 巧、石部 奈々美 a.k.a. chappy から成るアートユニット、2blks(ツーブロックス)として、それぞれの作家活動と並行してオルタナティヴ・スペース 亀戸アートセンターを運営。
オリジナルグッズ制作やシルクスクリーンプリントの実演販売・ワークショップ、“ 似ない顔絵 unsuccessful portrait ”などの活動を行なっています。
<提供作品>
with ink 1
with ink 2
with ink 3
with ink 4
with ink 5
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生活空間にある様々な自然を共存させたい
ビルのひび割れの修復されているところだったり、サビであったり劣化であったりそういうものが好きで、自分の中でも自然にできるそういうものには敵わないという思いがありまして、作品の中にそういうものを取り入れたいなとは常に考えています。
人工的なものが劣化によって割れてしまう、そういう自然もあるんですけれど、緑とかそういった自然もあり、生活の中でそれらは共存しています。
そういうものが作品の中に現れてくると面白いなと思っています。
内在された自然から生まれた線、人工的な線、劣化
生活空間にある自然の摂理をコラージュに
-作品について、「内発的な身体の動きや自然の摂理をイメージし、それをストロークに反映させ線を描いたり、本来自身が備えている潜在的な何か(自身の軌跡)を画面上に表出させる」と説明されていますが「内発的な身体の動き」や「自然の摂理」とはどんなものをイメージしているのでしょうか?
石部さん
「たぶん手クセのようなものもあると思うのですが、生活すべてが『線』に出ていると思いますね。今まで生きてきて身体に染み込んだもの、見たり影響を受けたりしたもの、それらすべてが『線』に表れる。それを表したいと思っています。それと自分が感じる自然ですね、風とか自分が感じる自然のイメージを『線』で描けたらなと思います。描いているときは、無とは言わないですけど、衝動的に手をただただ動かす。それが描きはじめです。」
-紙に向かわれたときに何かを描こうというイメージは特にないということでしょうか?
石部さん
「全くないですね。今回ご提供した作品なんかは紙を大量に用意しておいて、墨ではじめに線をバーっと描く。最初からうまくいくこともありますけれども、やはりうまくいかないこともある。ボツにしたものも紙がもったいないので、クラフトテープを貼り付けて剥がす。すると白いスペースが生まれますので、またそこに描いて繰り返してああいう作品ができています。線は好きなのですが構成(コラージュ)的な要素も多分にある作品です。剥がれることで紙が劣化する。レイヤー感が出て奥行きができる。直線は人工的だけど、その上にまた描くと人工と自然が共存してゆく。」
-使われている画材はインクと筆でしょうか?
石部さん
「筆と言いますか、タワシだったり棒だったりいろんなものを使います。インクは墨汁です。紙は水彩用の紙ですね。水彩紙は分厚くて水も吸収しやすいので、何回か剥がしても大丈夫なんです。」
-最初にFAVORRICから作品提供のオファーがあったときの印象は?
石部さん
「前々から作品をそのまま商品にすることがそんなにいいこととは思っていなかったのですが、FAVORRICさんの取り組みについては、商品というか媒体となるものにすごくこだわりをもってやっていかれるとお聞きしたので、それはすごいな、是非にと思いました。実際にデザイナーさんに生活の道具としてきっちりトリミングしていただけたり、生活に馴染むデザインとしてどんどん提案してくれたりしていただいて、これは楽しみだなと思いました。
私もギャラリーをやらせていただいていて、アート作品を買うということがだいぶ以前よりは広がっては来ているとは思うのですが、やはり日本は部屋の事情とかでなかなか買いたくても買えない方が多いですよね。そういった生活に取り入れてもらえるというのはいいなと思います。」
-今後、FAVORRICに期待することは?
石部さん
「お客様が実物を見られるようになるといいなと思いますね。すごく気持ち良かったので商品にも触れてほしいです。こだわって色も出してもらったので是非見てほしいなと思います。」-ご購入された方にメッセージ
生活に彩りが出るといいと思います!
『with ink 1』
左上の山の部分が気に入ってそこを残すべくテープで剥がして、
スペースを切りました。
※作品『with ink 1』のすべての商品はこちら
『with ink 2』
描いたり取ったりを繰り返して。
テープは直線的なので三角などの
造形はそれで出来上がっています。
※作品『with ink 2』のすべての商品はこちら
『with ink 3』
描いたり取ったりを繰り返して。
直線的なテープの造形と自由に
生まれた線の組み合わせです。
※作品『with ink 3』のすべての商品はこちら
『with ink 4』
ハケをインクがくっつくことで
太かったり細かったり様々な線が
できる状態にして描いています。
※作品『with ink 4』のすべての商品はこちら
『with ink 5』
テープで抜いたところに薄い墨を
乗せると別のテクスチャができる。
様々な表情のテクスチャを組み合わせて。
※作品『with ink 5』のすべての商品はこちら