田代 敏朗
Toshiaki Tashiro
1980年佐賀県生まれの画家。
16歳で佐賀県展洋画部で主席受賞し、大学中退後本格的に画家として活動。
独自のコンセプトで知られ、言葉とゲシュタルト崩壊をテーマにした「New Language, New Communication」や、「内観」をテーマにしたシリーズ「introspection」を発表。作品集「Toshiaki Tashiro Art Works 1995-2020」を2021年に発売。
展示やアートワークショップも展開し、国内外で注目を集めている。
NEWS
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田代敏朗デザイン オリジナル折り紙
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2023年8月23日(水)~9月12日(火)の期間中FAVORRIC公式サイトでご購入いただいたお客様へプレゼント
先着100名様 田代敏朗デザインオリジナル折り紙
- 2023.05.10
- 新アイテム「マルチクロス」販売開始
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SPECIAL MOVIE
ART01
Talk to him
私は彼の存在に気づく
私より遥か、もっと上の、もっと高い場所にいる彼は
私からは見えない
でも私は導かれたと気づいたと同時に彼の声を知る
目隠しをされたような状態で、私は彼の声を辿っては、
私は彼と話をするのだ
それらはいつの間にか始まっては
いつの間にか形を成していた
ある日
計り知れない色の洪水にはじめてきれいな膜が張った
風を追って答えを探しに
尋ねた彼は私に言った
「もう答えはずっと前から君の中にあったじゃないか」
8歳の少年が森の中で手を振る
「もうだいじょうぶだよ」
ふっと肩が軽くなる
大きな鳥が空へと連れてく
電話を切る
もう探さない
これ以上、足りないものを探すことなんてしない
ART02
DAWN
暗闇の部屋の中での目覚めは、視覚だけではすぐに判断はつかない。
ぱちぱちと目をしばかせて、閉じている瞼の暗闇なのか、
外のそれなのか、音で確かめて気づくことがある。
しんとした暗闇で、朝を感じる。
まるで、大きな箱から黙々とあふれ出す霧のようなものに、
体が包み込まれて消えてしまいそうな気になる。
小さな頃から、そんな不安に似たようなものを感じる時は、
なんだか決まって冬が近づくときだった。
毛布が暖かくて、ぐるぐる巻きついて、兄とじゃれあっていた、
そんな記憶が冬の輪郭を作る。
小さな部屋で凍えた体には足があって、
それで階段を下りれば、
あたたかい家族が待っている大きな部屋があり、
美味しい食事があった。
当たり前じゃなかったんだというのは、
その環境から、その同じ足でドアを開けたからだった。
霧なんて気のせい、大きな箱なんてあるわけない、
大きな得体の知れないそれは、
僕が生まれついた、家族という、
太陽のようなものが、
消してくれていたわけでもないのだった。
勿論作られたわけでもなかった。
僕がそう思っていただけだった。
ほんとうに霧のようなものだった。
黄色がないその信号に、劣等の烙印を落としていた。
勝手に何かと比較をしていた。
信号さえも、ほんとうは無かった。
めまぐるしい起伏の波、
巻き起こしているのは他でもない、
どこにもない、その己が作り出した、
精神の地層。
絶望の海に投げ出されて、勝手に救助を求めていた。
助けられたのは、そこが海ではなかったから。
望みも持たない人間は過去でも未来でも泳げない。
絶望なんて、無い。
何かを予兆して、予防線を張ることが当たり前だと思っていた。
違和感を感じても、躊躇をしていたふりをしていた。
舞台は、くるりと反転して、地平線の上を舞い踊る。
幾多の時間は、ここに到着するために存在していたんだ。
苦悩と書かれてたはずの名札を確認してみる。
そんなことなど書かれていない。
置いてかないで・放っておいて
ひとりにしないで・ひとりにして
支柱の高いシーソーは、
ぎっこんばったんと空に鋭角のラインを残して、
感情の抑揚でスピードが増す仕組みだ。
改めて見直すと、
その名札には、杞憂と書いてあった。
私がそのまま飛んでしまわないように、
シーソーには誰かがベルトを付けてくれていた。
装置(または私)
冬のベンチで一緒に座るあの小さな子。
この体の、頭の、少し上で、ドアを開ける、あの子。
屈託のない、完全な透明で無垢なその子が、装置に筆を握れとせがむ。
ただただ装置は、その子のために、綺麗でいたいと、日々掃除に励む。
その子は今にしか記憶がないから、
すぐ光になってしまって見えなくなってしまうのだよ。
体のなかで、ずっと鳴る音。
音を見たい。
フェイクなプレパラートや、
誰かが持ってる流行のオペラグラスでは見れない。
その夢を筆でまさぐる。
ART03
ipadで描く
iPadでお絵描きをする様子を更に第三者の目線で描いた作品です。
2015
81 x 65 x 2.5 cm/ 31.9 x 25.6 x 1 in
acrylics, canvas
ART04
flowers
実家の窓際に生けられた花。外から磨りガラス越しに眺めてみる。
2015
81 x 65 x 2.5 cm/ 31.9 x 25.6 x 1 in
acrylics, canvas
PROFILE
田代敏朗-Toshiaki Tashiro
1980年3月1日佐賀県生まれ。現在長野にアトリエを構える。
佐賀県立佐賀北高校芸術コース美術学科卒業、私立大阪芸術大学芸術学部映像学科中退。
高校在学中に出品した佐賀県展洋画の部において史上最年少16歳で主席(県知事賞、山口亮一賞)受賞。
大学中退後、本格的に画家としての活動を開始。
2003年日比野克彦氏、村上隆氏らの選出により六本木ヒルズ森アーツセンター「Artist by Artists」出展。
2010年、上野の森美術館大賞展入選。
2011年トーキョーワンダーウォール入選(2012年トーキョーワンダーシード出展)。
2011年、東北大震災のボランティアをきっかけに開始した「5000円プロジェクト」により原画作品が3年の期間に700点以上の作品が購入される。
2014年、ひよこ本舗100周年記念として新しく誕生したブランド「DOUX’ D’AMOUR」の全パッケージのデザインの元となるアーティストに抜擢。
2015年、言葉とゲシュタルト崩壊をテーマにした「New Language, New Communication」を発表。
初の作品集「New Language, New Communication(Wooly Arts)」を出版。
2017年、初となるニューヨークブルックリンでの展示「wooly in blooklyn」にメイン作家として出展。
同年、福岡六本松蔦屋書店のグランドオープン記念としてのアーティストとして抜擢、個展「THE VERY END OF DAWN」を開催。
展示のたびにさまざまなコンセプトやステイトメントを展開させている。
2019年より、アートシンキング、カウンセリング、セラピーやヒーリングなど様々な方面から解釈し独自に構築したアートワークショップを開催。現在300名以上の受講者を超え、年間10回のオンラインワークショップも行っている。
2020年、最愛の家族を自殺により亡くしていること、それに伴う自身の様々な経験や想いが創作のコンセプトとなっていることを公表。
集大成となる作品集を作るために自身初のクラウドファンディングにて資金を募りプロジェクトが成功。
画家人生25年の集大成となる作品集「Toshiaki Tashiro Art Works 1995-2020」を2021年1月1日に発売。
2022 年、「内観」をテーマにしたシリーズ「introspection」を発表。
東京銀座 GINZA SIX FOAM COTEMPORARY にて大規模な展覧会を開催。長野cella MASUMI, 東京LONGY GALLERYなどで巡回展を開催、約2,000名を動員。
トータルディレクションを務めるコンテンポラリーアートギャラリー「nepews gallery」をオープンする。
受賞
- 1996
- 佐賀県展洋画の部 県知事賞、山口亮一賞受賞
- 2010
- 上野の森美術館大賞展 入選
- 2011
- トーキョーワンダーウォール入選(2012年トーキョーワンダーシード出展)
展示
- 2003
- 六本木ヒルズ森アーツセンター「Artist by Artists」出展
- 2017
- ニューヨークブルックリン「wooly in blooklyn」にメイン作家として出展
- 2017
- 個展「THE VERY END OF DAWN」を開催
- 2022
- 東京銀座 GINZA SIX FOAM COTEMPORARY 出展
- 個展「introspection」
- 東京銀座 GINZA SIX FOAM COTEMPORARY
書籍
- 2015
- 作品集 「New Language, New Communication(Wooly Arts)」
- 2020
- 作品集 「Toshiaki Tashiro Art Works 1995-2020」(nephews)
INTERVIEW
INTERVIEW
- ご自身のアート活動について、普段どのような創作活動をされているかを教えてください。
- 美術作品の制作をメインに、独自で構築したアートワークセッションを対面、オンラインなどでレクチャーしています。その他にロゴデザインやウェブのディレクションなどもやったりしています。
- 作品を創作する上で大切にされていること、思いなどを教えてください。
- 全てはインスピレーションで降りてくるものをブラッシュアップして描いています。
パーソナルな出来事がきっかけになることも多いですが、不特定多数の方に発表するものなので、鑑賞者の方それぞれにフィットすることを想像し、昇華した状態を完成として発表するように心掛けています。
- 影響を受けた人物、作品がありましたら教えてください。
- 影響を受けた人物、作品は特段これと言っては思い浮かびませんが、10代の頃からアンリ・マティスの作品っぽいと言われることがよくあって、一度美術館で本物を観て泣いたことがあります。
素敵だなぁと思う作家さんはたくさんいますが、影響されやすいので敢えてあまり深掘りしないようにしています。同じ美術家の作品よりも、音楽家や小説家の作品からインスピレーションを受けることが多いようです。
- FAVORRIC提供作品の中でご自身の代表的な作品を紹介してください。
- 「DAWN」という作品は2014年くらいの作品だったと思いますが、個人的にもすごく好きな作品です。
「夜明け」の情景やそのものの言葉が好きで、よく普遍的なテーマで扱っている気がするのですが、一番可視化できている作品のような気がします。
- FAVORRICに参加いただいた理由と参加した印象を教えてください。
- 肌に触れたり、日常で使用されるものとして、生地から、制作の工程まで、すごく丁寧に扱われていることが印象的でした。
単にOEMで多売されることを目的としていない、ずっと使えるものとして、絵画作品のように取り扱ってくださることも魅力的です。
- 今後の活動についての展望を教えてください。
- 自分自身を大切にしていけたらと思います。
まずはそこから全てが始まると思っています。
Artist List
前田裕
Namiko Kitaura
タカノカツラ
Chappy | 石部奈々美
名雪晶子
kotohari | 藤丸枝里子
生地史子
おくまゆみ
Jun Yasui
岡本寿
千野六久
宇賀神拓也
HIRAOKA SHOKO
前川侑子
山口聡一
真鍋由伽子
並木夏海
れのすか
村上生太郎
尾崎拓磨
しまむらひかり
岡本博紀
高橋梓
松本沙希
かけがわ惠
高橋生也
ヒロセリョウジ
EnoR | KUMIKO TAMURA
高田昌耶
内田亘
内田恵
久野安依子
村瀬都思
SAYO
岩水亜沙子(イワミズアサコ)
富田茜
前田豆コ
北嶋勇佑
東菜々美
millitsuka
Wei Hsuan
Hi there
田中紳次郎
Yui Korenaga
Futaba.
平野晶
mumea
片山高志
羽野瀬里
町山耕太郎
オタニじゅん
金本凜太朗
小林健太
山崎由紀子
田代敏朗
ワタミユ
松村咲希
フルフォード素馨
香月恵介
中村ころもち
新納翔
Gari Ortigosa
愛
宮嵜蘭
安藤瑠美
鎌田未波
岡村一輝
Inge Rylant
畑山太志