自然が都市に飲み込まれつつある
■作品について
東京を中心としたエリアを撮影していると妙に違和感を抱く景色に出会うことがある。それは、いつも決まって刹那的に現れては消えていく。品川埠頭や羽田空港といった湾岸部や東京駅周辺など、再開発地区の中でも際立って変化が著しい場所で多く見つけるのだが、時の止まったような古ぼけた商店街の一角で姿を見せることもある。
コロナ禍で人が消えた街を撮影している時、ふとその違和感の正体は未来都市の片鱗が姿を見せているのではないかと思った。そこだけ時代がジャンプしたかのようなおかしな景色。やがて未来都市のコアになるものなのだと。
その違和感をまとった景色だけを集めていけば、未来都市を今、撮ることができると考えた。私は、「MEGALOPOLIS」の先、GIGA、TERAよりもさらに大きな単位である「PETA」と合わせた造語「PETALOPOLIS」と、その架空未来都市を名付けた。
開発によって上へ上へと伸びていく都市に潜む虚構を「PETALOPOLIS」シリーズの作品をグラフィカルに引き伸ばすことにより、矛盾を孕んだ現代都市の姿を表現しようとしたのがこの「unsustainable」である。
およそ持続可能とは思えない現在の都市。