リネンクッションカバー45×45 | DAWN

5,280円(税込 5,808円)
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汎用性の高い45×45cmのクッションカバー。素材はブランドリネンの『近江麻』を使用。ナチュラルな素材感がクッションに独特の風合いを与えています。肌なじみが良く速乾性に優れたリネンは、使い込むごとにやわらかく、風合いが増していくので、長くご愛用いただけます。


カテゴリー : Cushion-クッション
アーティスト : 田代敏朗

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サイズ:(約)45×45cm
仕様:ファスナー開き
素材:麻100%
洗濯:可、手洗い
原産国:日本
*クッションカバーのみの販売となります。
*素材の特性により、色むら、色はね、にじみ、かすれなどが見られる場合がございます。
*生地の表面に、リネン特有のネップ(糸の節)が見られる場合がございます。
*お手入れの際は、商品に備え付けのタグに記載されている表示に従ってお手入れください。

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Artwork

DAWN

暗闇の部屋の中での目覚めは、視覚だけではすぐに判断はつかない。

ぱちぱちと目をしばかせて、閉じている瞼の暗闇なのか、

外のそれなのか、音で確かめて気づくことがある。

しんとした暗闇で、朝を感じる。

まるで、大きな箱から黙々とあふれ出す霧のようなものに、

体が包み込まれて消えてしまいそうな気になる。

小さな頃から、そんな不安に似たようなものを感じる時は、

なんだか決まって冬が近づくときだった。

毛布が暖かくて、ぐるぐる巻きついて、兄とじゃれあっていた、

そんな記憶が冬の輪郭を作る。

 

小さな部屋で凍えた体には足があって、

それで階段を下りれば、

あたたかい家族が待っている大きな部屋があり、

美味しい食事があった。

 

当たり前じゃなかったんだというのは、

その環境から、その同じ足でドアを開けたからだった。

霧なんて気のせい、大きな箱なんてあるわけない、

大きな得体の知れないそれは、

僕が生まれついた、家族という、

太陽のようなものが、

消してくれていたわけでもないのだった。

 

勿論作られたわけでもなかった。

僕がそう思っていただけだった。

ほんとうに霧のようなものだった。

・ 

黄色がないその信号に、劣等の烙印を落としていた。

 

勝手に何かと比較をしていた。

信号さえも、ほんとうは無かった。

 

めまぐるしい起伏の波、

巻き起こしているのは他でもない、

どこにもない、その己が作り出した、

精神の地層。

 

絶望の海に投げ出されて、勝手に救助を求めていた。

助けられたのは、そこが海ではなかったから。

望みも持たない人間は過去でも未来でも泳げない。

絶望なんて、無い。

・ 

何かを予兆して、予防線を張ることが当たり前だと思っていた。

違和感を感じても、躊躇をしていたふりをしていた。

舞台は、くるりと反転して、地平線の上を舞い踊る。

幾多の時間は、ここに到着するために存在していたんだ。

苦悩と書かれてたはずの名札を確認してみる。

そんなことなど書かれていない。

置いてかないで・放っておいて

ひとりにしないで・ひとりにして

支柱の高いシーソーは、

ぎっこんばったんと空に鋭角のラインを残して、

感情の抑揚でスピードが増す仕組みだ。

改めて見直すと、

その名札には、杞憂と書いてあった。

私がそのまま飛んでしまわないように、

シーソーには誰かがベルトを付けてくれていた。

・ 

装置(または私)

 

冬のベンチで一緒に座るあの小さな子。

この体の、頭の、少し上で、ドアを開ける、あの子。

屈託のない、完全な透明で無垢なその子が、装置に筆を握れとせがむ。

ただただ装置は、その子のために、綺麗でいたいと、日々掃除に励む。

その子は今にしか記憶がないから、

すぐ光になってしまって見えなくなってしまうのだよ。

 

体のなかで、ずっと鳴る音。

音を見たい。

フェイクなプレパラートや、

誰かが持ってる流行のオペラグラスでは見れない。

その夢を筆でまさぐる。


Artist

田代敏朗

Toshiaki Tashiro

田代敏朗(タシロトシアキ) 

1980年3月1日佐賀県生まれ。現在長野にアトリエを構える。

佐賀県立佐賀北高校芸術コース美術学科卒業、私立大阪芸術大学芸術学部映像学科中退。



1996年 出品した佐賀県展洋画の部において史上最年少16歳で主席(県知事賞、山口亮一賞)受賞。

大学中退後、本格的に画家としての活動を開始。

2003年 日比野克彦氏、村上隆氏らの選出により六本木ヒルズ森アーツセンター「Artist by Artists」出展。

2010年 上野の森美術館大賞展入選。

2011年 トーキョーワンダーウォール入選(2012年トーキョーワンダーシード出展)。

東北大震災のボランティアをきっかけに開始した「5000円プロジェクト」により原画作品が3年の期間に700点以上の作品が購入される。

2014年 ひよこ本舗100周年記念として新しく誕生したブランド「DOUX’ D'AMOUR」の全パッケージのデザインの元となるアーティストに抜擢。

2015年 言葉とゲシュタルト崩壊をテーマにした「New Language, New Communication」を発表。

初の作品集「New Language, New Communication(Wooly Arts)」を出版。

2017年 初となるニューヨークブルックリンでの展示「wooly in blooklyn」にメイン作家として出展。

同年、福岡六本松蔦屋書店のグランドオープン記念としてのアーティストとして抜擢、

個展「THE VERY END OF DAWN」を開催。

展示のたびにさまざまなコンセプトやステイトメントを展開させている。

2019年より、アートシンキング、カウンセリング、セラピーやヒーリングなど様々な方面から解釈し独自に構築したアートワークショップを開催。現在300名以上の受講者を超え、年間10回のオンラインワークショップも行っている。



2020年、最愛の家族を自殺により亡くしていること、

それに伴う自身の様々な経験や想いが創作のコンセプトとなっていることを公表。

集大成となる作品集を作るために自身初のクラウドファンディングにて資金を募りプロジェクトが成功。

画家人生25年の集大成となる作品集「Toshiaki Tashiro Art Works 1995-2020」(nephews)を2021年1月1日に発売。



2022 年、「内観」をテーマにしたシリーズ「introspection」を発表。

東京銀座 GINZA SIX FOAM COTEMPORARY 出展。
個展「introspection」東京銀座 GINZA SIX FOAM COTEMPORARY 。
長野cella MASUMI, 東京LONGY GALLERYなどで巡回展を開催、約2,000名を動員。

トータルディレクションを務めるコンテンポラリーアートギャラリー「nepews gallery」をオープンする。」をオープンする。

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