香月恵介
私の絵画制作ではモニターに映し出された画像をその表示構造、つまり赤青緑の画素を絵具で再現した「ピクセルペインティング」を主軸として展開している。
画像は主にモネやターナーの絵画を採用しているが、これは光を描いた著名な画家の作品を現代の光学技術の成果たるモニター(発光する画像)へ召喚し、その画像を絵画化することによって、現代におけるイメージや光についての再考を促すためである。
近年では、Diffusion model AIが生成した画像を古典写真技法によって定着させた写真作品を制作している。
アルゴリズムによる画像生成プロセスは、写真機による被写体の投影よりも人間が想像する「イメージ」の生成に近いものであった。
私は画像生成の最中に紛れ込んだエクストラを心霊と呼ぶことにした。
1991年福岡県生まれ。
2016年東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域 修了。
モニターの表示構造である画素(ピクセル)を絵画で再現し、画面の発光を絵具に物理的に置き換える「ピクセルペインティング(pixel painting)」を主に制作する。
クロード・モネやJ.M.W.ターナーの絵画の援用や、RGBライトを使用した「Lux」シリーズを手掛けるなど、現代の光と絵画の関係性を考察している。
主な個展に2021年「Noumena」(EUKARYOTE)、2020年「ELAPSE」 (SEZON ART SHOP)、2019年「Hope's harbinger」(EUKARYOTE)等。