香月恵介
Keisuke Katsuki
1991年福岡県生まれ。2016年東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域 修了。
モニターの表示構造である画素(ピクセル)を絵画で再現し、画面の発光を絵具に物理的に置き換える「ピクセルペインティング(pixel painting)」を主に制作する。
クロード・モネやJ.M.W.ターナーの絵画の援用や、RGBライトを使用した「Lux」シリーズを手掛けるなど、現代の光と絵画の関係性を考察している。
NEWS
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- 2023.05.10
- 新アイテム「マルチクロス」販売開始
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SPECIAL MOVIE
ART01
Noumena#12
「Gray : Noumena」にはCMYによって作り出された混色状態の灰色の色面に、ディスプレイ表示における理論値であり本来は吸収されているはずのRGB輝度値が表示されている。私がこの灰色の色面を作り出す際には垂直、水平にCMYの色材を引き伸ばして混色している。また、水平垂直はモニターの画面表示構造であるピクセルに基づいており、液晶破損時に起こる線的な画面の壊れ(グリッチ)に似た表面を作り出すことができる。
その上にある数値は256色x3の組み合わせによるところの中間に値する数値をランダムに生成した灰色のイデアなのである。
"Noumena"は"Noumenon"の複数形だが、"Noumenon"には考えられたもの、あるいは仮想物という意味がある。「Gray : Noumena」では偶発的に混ざり合った色材的灰色とランダム生成された仮想物としての光学的灰色が混成された画面を作り出すことを目的としている。
光を受ける支持体(灰色)があり、光そのものを示す数値(灰色)がその上に表示されている。その絵画は光の認識不可能性を再提示する媒体となりうるのではないだろうか。
2022
H455xW333xD50mm(P8)
木パネル、綿布、アクリル絵の具,紙
ART02
Lux2
ターナーが晩年に描いたゲーテの色彩論への回答としての作品2組は、ゲーテの色彩についての思索を解体して光と闇の色彩についてそれぞれ描いたものだ。
そこに付される逸話は大洪水と夜明け、天使と精霊に纏わるものだったが、どれも中心に光を持ち、円状に色彩を帯びる絵画であった。これはゲーテの色相環を下敷きにしているが、光の中に舞台を作り演出したようにも見える。
光が分光され色彩に変化する様はプリズムにおいてのみならず、ゲーテやターナー自身が行ったようにそれぞれの哲学によって様々な色彩理論が作り出された。
現行のメディアである液晶ディスプレイはプリズム分光の構造を前提としており、 赤と緑と青の発光によって色彩を表現している。
それは人間の眼に適切に映るように作られた構造だが、本質的に光は白色光の構造色のみの理解では不十分といえる。ただ、その性質を十分に理解するためには感覚を頼りにするほかなく、その上、視覚の外側に目を向けるのは難しい。光が光らしい形を持って色彩を作り出すのだとすれば分光した状態で解体し、再構成する事で光を実際に見たときの捉えどころのなさを映し出せるのではないか。
3原色に解体された光のイメージは統合されることによって空間的な重なりを持ち、さらにそのイメージに分光したそれぞれの光を当てることで光は収束と分光の両方の状態を同時に保ちながら何色とも取れない色彩に変化する。
その表面には色材の色と光の色が同調と飽和を湛え何色でもない光本来の色彩へと還ってゆく。
光を描きとるための一つの方法としてこの作品を"Lux"と名付けたい。"Lux"とは明るさを示す単位であり、ラテン語の「光」の意である。
2021
H1167xW803xD50mm(F50)
木パネル、綿布、アクリル絵具
ART03
チューリップ
自分の身体が感じ取っているチューリップと、実際のチューリップのギャップについての絵。
2022
H1167xW910xD50mm(F50)
木パネル、綿布、アクリル絵具
ART04
組体操
人間が動物に共感する、そのきっかけになる要因にはどのようなものがあるか、考えた。
2022
H652xW500xD50mm(P15)
木パネル、綿布、アクリル絵の具
PROFILE
香月恵介-Keisuke Katsuki
私の絵画制作ではモニターに映し出された画像をその表示構造、つまり赤青緑の画素を絵具で再現した「ピクセルペインティング」を主軸として展開している。画像は主にモネやターナーの絵画を採用しているが、これは光を描いた著名な画家の作品を現代の光学技術の成果たるモニター(発光する画像)へ召喚し、その画像を絵画化することによって、現代におけるイメージや光についての再考を促すためである。
近年では、Diffusion model
AIが生成した画像を古典写真技法によって定着させた写真作品を制作している。アルゴリズムによる画像生成プロセスは、写真機による被写体の投影よりも人間が想像する「イメージ」の生成に近いものであった。私は画像生成の最中に紛れ込んだエクストラを心霊と呼ぶことにした。
1991年福岡県生まれ。2016年東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域 修了。モニターの表示構造である画素(ピクセル)を絵画で再現し、画面の発光を絵具に物理的に置き換える「ピクセルペインティング(pixel painting)」を主に制作する。クロード・モネやJ.M.W.ターナーの絵画の援用や、RGBライトを使用した「Lux」シリーズを手掛けるなど、現代の光と絵画の関係性を考察している。
主な個展に2021年「Noumena」(EUKARYOTE)、2020年「ELAPSE」 (SEZON ART SHOP)、2019年「Hope's harbinger」(EUKARYOTE)等。
展示
- 2017
- 「アートアワード東京丸の内」
- 「DEP/ART kyoto 藤井大丸ショーウィンドウ」
- 2018
- 「ARTISTS'FAIR KYOTO」
- 2019
- 個展「The eyes : They see」
- 「UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2019」
- 2021
- 個展「– see sew scene –ARTISTS’ FAIR KYOTO SATELLITE」
- 2022
- 「NEWoMan YOKOHAMA × The Chain Museum Vo.4」
受賞・入選歴
- 2015
- 「2014 年度京都造形芸術大学卒業・修了制作展」 奨励賞 受賞
- 2017
- 「ターナーアクリルガッシュビエンナーレ 2017」 入選
- 「トーキョーワンダーシード 2017」 入選
- 2019
- 「UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2019」スポンサーDPH 賞、審査員 Benny au賞 受賞
collection・collaboration
- 2018
- ユニバーサルミュージックジャパン(東京)
- 千島土地株式会社(大阪)
- 2021
- DMG 森精機株式会社 伊賀事務所(伊賀)
- 日産大阪× FM802 FANKY CAR PROJECT 日産 KICKS ラッピングへ作品イメージの提供(大阪)
- 家入一真コレクション
- KANKURO UESHIMA COLLECTION
INTERVIEW
INTERVIEW
- ご自身のアート活動について、普段どのような創作活動をされているかを教えてください。
- 普段私たちが世界をとらえるときに欠かせない光を絵画という視覚メディアによって表現しています。遥か昔から同じように振る舞う光と、現代における光のあり方について考えています。年数回ギャラリーでの展覧会や、アートフェアで作品を発表しています。
- 作品を創作する上で大切にされていること、思いなどを教えてください。
- 制作の上では考えることがほとんどを占めていて、実際に作品にする際には設計図の通りに組み立てていくような作り方をしています。成果物であるところの作品が美しいものである、と感じられるようにすることは大事なことだと思っています。
- 影響を受けた人物、作品がありましたら教えてください。
- 生活の中で出会うものには常に影響されていると感じます。領域は違いますが、映画監督のジャン=リュック・ゴダールを上げておきたいと思います。
- FAVORRIC提供作品の中でご自身の代表的な作品を紹介してください。
- Luxというシリーズ作品で、ピクセルの赤、緑、青の色点のみで太陽光の写真を描いた後で、さらに赤、緑、青のスポットライトによる照明を施す作品です。光の三原色と呼ばれているそれぞれの色彩によって、近づいて見るときと遠く離れたときで色彩の印象が変わります。さらに照明によって照らされている箇所が発光して見えることになるのですが、一言で”光の捉えられなさ”とすればわかりやすいでしょうか。
- FAVORRICに参加いただいた理由と参加した印象を教えてください。
- 私が最初に発表して、現在も続けているピクセルペインティングは、液晶ディスプレイのピクセルのRGBを絵の具に置き換えて制作した絵画ですが、ピクセルと織物の構造が似ていることもあり、作品を見た方から織物のようだと言われることがよくありました。テキスタイルを使用した作品展開にも関心があり、お話をいただいた時は嬉しかったです。
- 今後の活動についての展望を教えてください。
- 私が最初に発表して、現在も続けているピクセルペインティングは、液晶ディスプレイのピクセルのRGBを絵の具に置き換えて制作した絵画ですが、ピクセルと織物の構造が似ていることもあり、作品を見た方から織物のようだと言われることがよくありました。テキスタイルを使用した作品展開にも関心があり、お話をいただいた時は嬉しかったです。
Artist List
前田裕
Namiko Kitaura
タカノカツラ
Chappy | 石部奈々美
名雪晶子
kotohari | 藤丸枝里子
生地史子
おくまゆみ
Jun Yasui
岡本寿
千野六久
宇賀神拓也
HIRAOKA SHOKO
前川侑子
山口聡一
真鍋由伽子
並木夏海
れのすか
村上生太郎
尾崎拓磨
しまむらひかり
岡本博紀
高橋梓
松本沙希
かけがわ惠
高橋生也
ヒロセリョウジ
EnoR | KUMIKO TAMURA
高田昌耶
内田亘
内田恵
久野安依子
村瀬都思
SAYO
岩水亜沙子(イワミズアサコ)
富田茜
前田豆コ
北嶋勇佑
東菜々美
millitsuka
Wei Hsuan
Hi there
田中紳次郎
Yui Korenaga
Futaba.
平野晶
mumea
片山高志
羽野瀬里
町山耕太郎
オタニじゅん
金本凜太朗
小林健太
山崎由紀子
田代敏朗
ワタミユ
松村咲希
フルフォード素馨
香月恵介
中村ころもち
新納翔
Gari Ortigosa
愛
宮嵜蘭
安藤瑠美
鎌田未波
岡村一輝
Inge Rylant