FAVORRIC編集者
2024-06-27
絵画の支持材とは?紙やキャンバスだけじゃない、様々な種類を紹介します!
絵画を描く際に欠かせない「支持材」について、皆さんはどれくらいご存知でしょうか?
支持材とは、絵の具を塗布するための基盤となる素材のことです。多くの方が、キャンバスや紙を思い浮かべるかもしれませんが、実は絵画の支持材には様々な種類があります。
支持材は、画家の表現を支える重要な要素であり、その特性によって作品の仕上がりや保存状態に大きく影響します。
例えば、キャンバスは油絵やアクリル絵の具に最適で、耐久性と柔軟性に優れています。紙は水彩画やインク、パステルに適しており、取り扱いやすく多様な表現が可能です。しかし、それだけではありません。木製の板や金属板、布、ガラス、さらには壁や磁器など、意外な素材も支持材として利用されています。
それぞれの支持材には独自の特性があり、作品に異なる質感や雰囲気をもたらしています。
本記事では、絵画の支持材の基本から、知っておきたい多様な種類について詳しくご紹介します。支持材の種類と、その特性を理解しましょう。
目次
- 絵画の支持材とは?
- 支持材の種類
- 支持材の種類を理解して、絵画の魅力をより深く
絵画の支持材とは?
絵画の支持材とは、絵の具を塗布するための基盤となる素材を指します。
絵画を描く際に用いる支持材は、単なる材料ではなく、作品の完成度や保存状態に影響を与える重要な要素です。適切な支持材を選ぶことで、画材との相性や描きやすさ、作品の耐久性を高めています。
逆に、適切でない支持材を使用すると、作品が劣化しやすくなることもあります。そのため、作品の目的や保存期間を考慮し、最適な支持材を選ぶことが重要です。
支持材は単なる「絵を描くための土台」ではなく、作品の品質や保存状態を左右する非常に大切な要素であることを理解していただけたと思います。
それでは、具体的にどのような種類の支持材が存在し、それぞれにどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
以下では、代表的な支持材について詳しくご紹介します。
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支持材の種類
支持材には多くの種類があり、それぞれに独自の特性と利点があります。画家は作品のスタイルや技法、使用する絵の具の種類に応じて、最適な支持材を選ぶことが求められます。
ここからは、代表的な支持材について詳しく見ていきましょう。
キャンバス
キャンバスは、特に油彩やアクリル画の支持材として一般的に使用される素材の一つです。欧州の画家たちが15世紀ごろから絵画に使用するようになったと言われています。
通常、木製のフレームに張られた布地で構成されており、布地部分は、麻や綿、ナイロンなどが一般的です。キャンバスは、耐久性があり、油絵やアクリル絵の具との相性が良いのが特徴です。特に、重ね塗りや厚塗りがしやすく、表面に独特の質感を与えることができます。
紙
紙は紀元前2世紀ごろに中国で誕生し、中国では唐代、ヨーロッパでは14世紀から15世紀にかけて絵画の支持材として普及しました。
水彩画やインク、パステルなどに適した素材で、取り扱いやすく、様々なサイズや質感のものが手に入るため、多様な表現が可能です。特に水彩紙は吸水性が高く、絵の具の発色が良いのが特徴です。また、スケッチやデッサンには、滑らかで鉛筆やペンが滑りやすい紙が適しています。
水彩画は劣化しにくい無酸紙がおすすめ
水彩画を描く際には、紙の選択が作品の仕上がりや保存性に大きな影響を与えます。その中でも、無酸紙(アシッドフリーの紙)は特におすすめです。無酸紙は、製造過程で酸を除去しているため、通常の紙よりも劣化しにくく、長期間にわたって色褪せや黄ばみが発生しにくい特性があります。
無酸紙は、以下のような点で優れています。
- 耐久性:無酸紙は化学的に安定しており、時間が経っても脆くなりにくいため、作品が長持ちします。
- 色の保存:酸性の紙と比べて、無酸紙は水彩絵の具の鮮やかな色を長期間維持することができます。
特に、水彩画には無酸紙が向いているとされています。作品の美しさを長期間保ち、劣化のリスクを最小限に抑えることができるためです。作品が時間を経ても鮮やかさを保つために、無酸紙は最適な選択肢となっています。。
板
板は、木製のパネルやMDF(中密度繊維板)など、硬い素材でできた支持材です。板は、剛性が高く、表面が平滑であるため、詳細な描写や精密な作業に向いています。
板は、紀元前1世紀から使用されている歴史の古い支持材です。一般的に使用されていた支持材でしたが、運搬時の重さや湿気による反りなど、その取り扱いにくさから、15,16世紀以降は徐々にキャンバスに入れ替わっていきます。
現代ではあまり使用しない支持材ですが、単に板といっても種類があります。代表的な3つの種類を紹介してきます。
木質繊維版
木質繊維板(MDF:中密度繊維板)は、細かい木の繊維を圧縮して作られる板で、滑らかな表面と均一な密度を持つのが特徴です。絵の具が吸収されにくいため、詳細な描写や細部の表現に適しています。また、反りや割れが少なく、長期的な保存にも向いています。
ベニヤ合板
ベニヤ合板は、薄い木の板を何層にも重ねて接着したものです。軽量でありながら強度があり、大型の作品にも対応できる点が特徴です。表面が平滑で、絵の具の乗りが良く、油絵やアクリル絵の具にも適しています。
パーティクルボード
パーティクルボードは、木材のチップを接着剤で固めて板状にしたものです。均一な表面を持ち、アクリル絵の具や油絵の基盤として適しています。ただし、厚みがあるため使用用途は限れます。
壁
壁は、古代から利用されてきた支持材で、特にフレスコ画が代表的です。石膏や漆喰などの下地を塗った上に絵を描くことで、長期間にわたり鮮やかな色彩を保つことができます。歴史的な建築物の装飾に用いられることが多く、壮大なスケールの作品を制作するのに向いています。
布
布は、キャンバス以外にも様々な種類が支持材として使用されます。リネンやシルクなどの布地は、柔軟でありながら強度があるため、独特の質感を作品に与えることができます。染料やインクを用いた作品に適しており、また、タペストリーなどの立体的な作品にも利用されます。
金属板
アルミニウムや銅などの金属板は、硬くて平滑な表面を持ち、耐久性に優れています。エナメルやアクリル絵の具を使用することで、独特の光沢感や質感を表現することができます。また、金属の反射性を活かした作品が制作できる点は他の支持材にはない魅力です。
ガラス
ガラスは、透明で滑らかな支持材であり、ステンドグラスや逆さ絵画などの技法に利用されます。ガラスの透過性を活かした作品や、光を取り入れたインスタレーションに適しています。耐久性が高く、色鮮やかな表現が可能ですが、取り扱いには注意が必要です。
磁器
磁器は、陶石を細かく砕き粉末状にしたものを原料としています。特に、焼き物の技法を用いた作品に適しており、釉薬や絵の具を用いて独自の風合いを出すことができます。耐久性が高く、装飾的な要素を加えることで、美術工芸品としての価値も高まります。
支持材の種類を理解して、絵画の魅力をより深く
画の支持材は、単なる「絵を描くための土台」ではなく、作品の完成度や保存状態に大きく影響を与える重要な要素です。支持材の選び方一つで、画材との相性、作品の耐久性が変わります。この記事では、以下のような代表的な支持材について紹介しました。
- キャンバス:耐久性があり、油絵やアクリル絵の具との相性が良い
- 紙:水彩画やインク、パステルに適しており、軽量で扱いやすい
- 板:剛性が高く、表面が平滑
- 壁:フレスコ画や壁画に利用され、壮大なスケールの作品向き
- 布:柔軟で強度があり、独特の質感を提供する
- 金属板:独特の光沢感や質感を持つ
- ガラス:ガラスの透過性を活かした制作ができる
- 磁器:硬くて滑らかな支持材で美術工芸品に適している。
それぞれの支持材の特性を理解して、芸術作品をより高いレベルで鑑賞しましょう。
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