FAVORRIC編集者
2024-06-26
正体不明の画家、バンクシー。作風や2大事件について解説します!
神出鬼没、正体不明というミステリアスさで、日本でも度々話題に上がるアーティスト、バンクシー。作品の多くは海外にありますが、日本でも街なかに突如バンクシー作品に酷似したグラフィティアートが見つかり、本物か偽物かと一時騒然となりました。
名前や代表作は見聞きするけれど、実際どのような画家なのかはよく分からないという方もいるのではないでしょうか。世界中で数多く事件を起こしているバンクシーとは一体どのような画家なのか、作風や事件など詳しく解説します!
*出典: [Wikipedia](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Mauer-betlehem.jpg), マルクス・オルトナー, CC BY-SA 2.5 *
*出典: [Wikipedia](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Banksy.bomb.jpg), 英語版ウィキペディアの利用者MykReeve, CC BY-SA 3.0 *
*出典: [Wikipedia](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Banksy_anarchist_rat_in_Sloane_Square.jpg), 英語版ウィキペディアの利用者Shermozle, CC BY-SA 3.0 *
*出典: [Wikipedia](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:The_Rat_(Graffiti_in_London).jpg), ループジラ, CC BY-SA 1.0 *
目次
- 正体不明の画家バンクシーとは?
- バンクシーの2大事件
- バンクシーの作風
- バンクシーの代表作
- ユーモアのある痛烈な風刺画で魅了してやまないバンクシー
正体不明の画家バンクシーとは?
*出典: [Wikipedia](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Shop_Until_You_Drop_by_Banksy.JPG), バンクシー, CC BY-SA 3.0*
バンクシーは今や世界中に名前を轟かす、有名な画家となっています。しかし、名前は知られているものの、バンクシー自身の素性は一切不明となっています。そんなバンクシーとはどのような画家なのか、背景を探ってみましょう。
なぜ正体を隠している?
なぜバンクシーは正体を隠しているのか、本人が一切表に出ていないため、本当の理由は分かっていません。けれども、バンクシーの作風から推測はすることができます。
バンクシーは、反権力・反資本主義・反戦といった、体制や差別・階級社会などを揶揄する風刺作品を制作しています。『アートテロリスト』とも呼ばれており、無断で美術館に作品を展示するなどの過激な活動を行っています。そもそもグラフィティアーティストであり、街なかの壁に無断で制作を行っているのです。
これらの行為は、違法行為に当たるか、違法すれすれのグレーゾーンとなる行いばかりであり、素性を明かしてしまうと逮捕される恐れがあります。逮捕されなかったとしても、素性が知られていれば、自由に行動もしづらくなってしまい、作品制作にも支障が出てしまうのは想像に難くありません。今後も正体を隠したまま活動していくことになるのではないかと思われます。
正体不明なのに真贋がわかるの?
バンクシー本人は正体不明なのに、街なかの様々な場所に唐突に現れる作品が、なぜ本物だと判断できるのかと疑問に思う方も多いでしょう。実際、日本でもバンクシーの作品によく似たグラフィティアートが発見され、本物か偽物か議論が起こりました。結局日本のものの真贋ははっきりしないままでしたが、海外では本物と認定されたものは多くあります。
実はバンクシーの公式サイトやInstagramが存在しており、新作ができた際には写真が公開されるため、アップされたものに関しては本物と認定することができます。また、公式サイトなどで紹介をされていないものも、鑑定家によって真贋を鑑定されているものもあります。
バンクシー公式サイト
バンクシー公式Instagram
バンクシーの2大事件
『アートテロリスト』とも呼ばれるバンクシーは、様々な事件を起こしています。中でも有名で、バンクシーの名前を広く知らしめることにもなった2大事件を紹介します。
※画像はイメージです
テート・ブリテンでの無断展示事件(2003年)
2003年10月、バンクシーはイギリス、ロンドンのテムズ川ほとりにある国立美術館、『テート・ブリテン』にチケットで入場し、館内の一角に無断で自身の作品を展示するという事件を起こしました。
作品名は『Crimewatch UK Has Ruined the Countryside For All of Us』。きれいな田舎の風景に、英国警察が使用する白と青の進入禁止のテープが貼られた絵画作品でした。
その他にも、MoMA・メトロポリタン美術館・ブルックリン美術館・大英博物館など、世界的にも有名な美術館に無断で作品を展示しました。これらは一度下げられても、風刺的な作品を評価されて正式な展示品として採用されることも多く、これらの事件がバンクシーの名前が広く知られるきっかけとなりました。
オークション事件(2018)
バンクシー作品の人気が高まり、オークションに出品されるようになります。けれども、バンクシー本人は資本主義体制を酷く嫌っていたため、オークションで自分の作品が高額でやり取りされることを快く思っていませんでした。そんな中、2018年10月、世界最古のオークションハウス『サザビーズ』に、バンクシーの『赤い風船に手を伸ばす少女(Girl with Balloon)』が出品されます。
104万2000ポンド(約1億5000万円)で落札が決まった瞬間、会場内にアラームが鳴り響き、額に仕込まれていたシュレッダーが作動して作品が裁断されてしまったのです。バンクシーのInstagramでは、自身でシュレッダーを仕込んだ歳の動画とともに、成功の喜ぶ様子が投稿されました。作品はその後、『愛はゴミ箱の中に(Love is in the Bin)』とタイトルが改名されることになります。
バンクシーの作風
人々の興味を惹き付けてやまないバンクシー作品の作風とはどんなものなのか、改めて詳しく解説していきましょう。
※画像はイメージです
ステンシルアートを用いたグラフィティ
バンクシーの作品は、主に『ステンシル』という技法を使っています。ステンシルとは、型紙を作って、キャンバスなどに貼り付けてスプレーを吹き付ける絵画技法で、エッジがはっきりとしていてスタンプを押したような画風を演出できます。
公共空間での展示
バンクシーの作風であるグラフィティアートは、『ストリートアート』とも呼ばれ、駅や電車車両、住居の壁などの公共空間をキャンバスにして、スプレーなどで文字や絵を描くジャンルです。バンクシーも住居などの壁に無許可で作品を描いています。
痛烈な社会批評
バンクシーが大衆に大きく支持される理由として大きなものは、反権力・反資本主義・反戦を正直に真っ向から批判する風刺作品を描いていることにあります。
アメリカの資本主義を揶揄する『Napalm』、英国議会の議員をチンパンジーに置き換えて描いた『退化した議会』、最近のものでは、ウクライナの破壊された建物に反戦やウクライナを応援するようなイメージの作品を残しています。
バンクシーの代表作
*出典: [Wikipedia](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Bethlehem_Banksy.jpg), ZaBanker, CC BY-SA 4.0*
数多くの作品を制作しているバンクシーですが、その中でも有名な作品を3つ紹介します。
Love is in the Bin
『愛はゴミ箱の中に』と邦題が付いている作品です。2018年の『オークション事件』で、バンクシー自身が『赤い風船に手を伸ばす少女』を半分辺りまでシュレッダーにかけたことで、この作品を生み出しました。
半分ほどまで裁断されたこちらの作品は、2021年に再びサザビーズで出品され、バンクシー作品の過去最高額、1858万ポンド(28億8000万円)で落札されることになります。バンクシーとしては不本意な結果になってしまったことでしょう。
Love is in the Air
邦題『愛は空中に』という作品で、パレスチナのベツレヘムにある建物に描かれています。同様の絵画をバンクシーは周辺に9つ描いていますが、こちらの作品はその中の一つになります。
最初に描いたのは、パレスチナとベツレヘムを隔てる分離壁に描いた『花束を投げる男(Flower Thrower)』で、兵士が手榴弾や火炎瓶など武器を投げる代わりに花束を投げている構図になっています。バンクシーはこの作品について、「この分離壁のせいで、パレスチナは世界最大の野外刑務所になった」と語っています。
There is always hope
こちらの作品は、ロンドンのテムズ川沿いの壁に描かれた絵で、正式なタイトルは『風船と少女(Girl with Balloon)』といいます。少女がハート型の赤い風船に手を伸ばしている構図になっており、この作品こそがバンクシーの代表作とも言えるでしょう。実際にバンクシーといえば、少女と赤い風船というイメージを持っている方も多いと思います。
風船を手放してしまったのか、浮かんでいる風船を取ろうとしているのかは、見る方によって印象が変わりそうです。脇に『There is always hope(常に希望はある)』と書かれていますが、これはバンクシーではない誰かが書き添えたという話もあるようです。
ユーモアのある痛烈な風刺画で魅了してやまないバンクシー
熱狂的なファンも多いバンクシーですが、歯に衣着せぬような作風で、社会への痛烈な批判をまっすぐに表現する姿勢が共感を呼んでいるのでしょう。また、正体を明かさず、神出鬼没であるところもミステリアスで、興味を掻き立てられます。
ネット上では正体を突き止めようとする動きがある反面、探すことを楽しんではいるものの、正体不明だからこそ魅力が高まると感じている人も多そうです。きっとこれからも、正体を隠しつつ魅力的な作品を生み出していくのでしょう。
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FAVORRIC編集者
Tags
バンクシー
アート
グラフィティアート
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