FAVORRIC編集者
2024-06-29
ファブレスとは?OEMとの違いやメリット・デメリットについて解説します
ファブレスは自社で工場を持たず、製造工程を他社に委託するビジネスモデルです。
自社では商品開発やマーケティングに集中できるため、自社製品の競争力を高めることに繋がります。
今回は、ファブレスのメリットやデメリットについて解説します。
ファブレスを取り入れた経営を検討している企業は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- ファブレスとは?
- ファブレスのメリット
- ファブレスのデメリット
- ファブレスの向く業界
- ファブレスでニーズに合ったスピーディーな経営を実現しよう
ファブレスとは?
ファブレスとは、「fabrication facility less」の略で、工場などの施設(fabrication facility)を持たない(less)という意味です。
自社では製品の企画や開発に特化し、製造は他社に委託するビジネスモデルを採用した企業のことを《ファブレス経営》と言います。
ファブレスは、他社の工場に製造を委託することで、初期コストを削減しつつ新製品の開発に注力できる点が最大の特徴。
自社の強みを最大限に活かせるので、競争の激しい市場での立ち位置を確保しやすくなります。
OEMとの違い
ファブレスとOEMは混合されがちですが、事業内容は明確に異なります。
ファブレスは、自社工場をもっていないため、自社ブランドの製品を作る際に、“製品の企画や設計のみ”を行います。
対して、ファブレスから委託を受けて“製品を製造工程のみ”を担うのがOEMです。
OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の頭文字をとった言葉で、他社ブランドの製品を製造することを意味し、その名の通り、ブランドを持つ企業が主な顧客となります。
ブランドを持つ企業が主体となって製品の企画や設計を行い、それを元にOEMメーカーに製品の製造を委託する点が特徴です。
このように、OEMメーカーは主に製造に特化した事業である一方、自社工場を持たないファブレス企業では、製造は一切行わず、開発・企画・設計に特化しています。
ファブレスのメリット
ファブレスは、初期コストの削減や効率化を実現するなど、さまざまなメリットがあるのが特徴です。
ここではファブレスのメリットについて解説します。
初期コストの削減
ファブレスのメリットは、初期コストが大幅に削減できる点です。
商品を製造するには、工場の建設するための土地や建設費の他、製造を行う人員の確保など、膨大な初期費用が必要になります。
しかし、すでに工場を保有している企業に製造の依頼をすることで、これらの初期費用はかかりません。
固定費やコストが減った分、損益分岐点が大幅に下げられ、黒字になりやすい企業体質を作ることができます。
柔軟性
ファブレスは、企画力や開発力に特化できるため、市場の変化に柔軟に対応できます。
常に新製品の開発が必要な市場では、ニーズの変化をいち早く商品に反映し、感度の高い経営ができるでしょう。
起業したばかりのベンチャー企業のように資金力に課題のある企業でも、初期投資が必要ないため、製品開発しやすい点がメリットです。
企画力やコンセプトがニーズとマッチすれば、業績を大きく伸ばせる可能性が高まります。
リスク軽減
ファブレスは、製造業を経営していく上で発生しやすいリスクを軽減できます。
製造業は、工場のトラブルなどで突然生産がストップするリスクがありますが、工場を分散させることでリスクの軽減が可能です。
工場の分散化は、納期の短縮や、製造量の調整も可能となり、さまざまなメリットがあります。
また、ファブレスは初期投資にかかる資金や固定費を削減できるので、安定した企業経営を行いやすくなるメリットもあげられます。
特にスタートアップ企業など、資金繰りが不安定な企業の場合でも倒産のリスクを軽減し、軌道に乗りやすいでしょう。
リソースの集中
ファブレスは、製造に必要な資材や人材を最小限にできるため、企画や開発にリソースを集中できます。
研究開発は、他の企業との差別化を図る上で重要な要素です。
新しいアイデアや市場の変化を敏感に感じ取れる企業の他、企画力やコンセプトを得意とする企業には非常に良い手法と言えます。
ファブレスのデメリット
ファブレスは、自社の工場を持たないことで、問題が生じる可能性もあります。
あらかじめデメリットや対策方法も考えておきましょう。
依存性
ファブレスは、製造を外部企業に全て依存しているため、委託した企業の生産能力や運営状況などに左右されやすくなります。
主に生産量や納期などは、自由が利きにくいため注意が必要です。
市場の需要が高まっても、製造する工場のキャパシティーによって、迅速に生産量を増やせないケースも考えられます。
需要の高い製品に関しては、複数の工場に委託するなどの対策が大切です。
品質管理の難しさ
ファブレスは、品質管理の難しさも課題としてあげられます。
他社の工場で製造するため、製造工程を把握しにくいことが原因です。
特に複数の工場で製造していると、工場によって品質にムラが生じてしまい、コントロールが難しくなるでしょう。
そのため、定期的な品質のチェックや監査を行うなど、厳格な品質管理体制の確立が必要不可欠です。
品質不良はブランドイメージを損なう可能性もあります。
製造を委託する際は、技術力や対応力など、信頼できる製造先を選定することも、企業戦略の大事なポイントです。
製造コスト
ファブレスの場合、製造を外部企業に委託するため、委託コストがかかります。
生産規模が大きくなる程、委託先に支払う金額は増えていき、スケールメリットはほとんど期待できません。
ひとつの製品が長期的に安定して売れている場合は、初期費用がかかっても自社の工場を作った方がコストダウンに繋がるケースも考えられます。
その他、材料費や人件費、設備費の高騰などの影響により、製造コストが上がり、これまで確保できていた粗利が減る可能性もあるでしょう。
商品の売れ行きによって、自社工場を持つべきか見極めることが重要です。
ノベルティ制作の基本を解説。制作する目的や種類ごとの特徴を紹介します
ファブレスの向く業界
ファブレスは、製品サイクルが短く、商品開発と製造が分離しやすい製品であることが前提です。
ここではファブレスが向いている業界について解説します。
半導体
半導体業界では、ファブレス経営を取り入れるのが一般的です。
主な理由は、半導体の開発サイクルが短いことと、生産設備に膨大な投資が必要であることがあげられます。
半導体業界は、開発スピードと新規性が重要視されている市場で、競争力の高さが特徴です。
そのため、企業の強みに特化し、市場の変化にスピーディーに対応できるファブレス経営が適しています。
半導体企業の中でも、売上高のトップにいるのが、NVIDIA です。
半導体の製造の他、通信技術関連の設計開発も行っています。
アパレル
アパレル業界は季節や流行によって次々と新しいファッションが生まれるため、流行に乗り遅れると売り上げに大きく影響します。
常に新しいデザインを提供し続けられるように、製品の開発に注力できる、ファブレスが向いているでしょう。
アパレル業界でファブレス経営を成功させたユニクロは、製造のほとんどを中国やベトナムなどの海外工場に委託していることで有名です。
商品の企画やデザインはもちろんのこと、素材の調達まで自社で行い、製造過程のみを委託しています。
現在では、一部の製品に限り、日本の自社工場で製造。
ニーズを即反映させた、スピード感のある商品開発の場としても使われています。
最近のファッション業界では、自社工場だけでなく、店舗も持たないブランドが相次いで参入しているのが特徴です。
SNSで集客し、オンライン上で購入できるため、参入のハードルの低さがポイント。
立ち上げから短期間で人気ブランドに成長するケースも多くあります。
インテリア
インテリアはデザインやサイズ、色、素材など、ひとつのアイテムでもバリエーションは多岐に渡ります。
トレンドや季節感なども重視されるため、ファブレス経営にマッチする業界です。
自社工場しかないと、ニーズに応じて設備を増やす必要がありますが、製造を委託すれば、設備投資をすることなく品質のよいインテリアを提供できるでしょう。
インテリア業界のサンゲツでは、ファブレス経営を取り入れて、品質とコスト面の優れた製品を生み出しています。
サンゲツの企業理念にもある《創造的デザイン・信頼される品質・適正な市場価格》の三則は、トータルコーディネートを実現するために必要不可欠な要素です。
お客様ひとりひとりのニーズに対応すべく、ファブレス経営をうまく活用しています。
ファブレスでニーズに合ったスピーディーな経営を実現しよう
ファブレスは、自社工場を持たないことで、初期投資を大幅に抑えながら、製品を製造できます。
企画力やコンセプトで差別化を図る企業には、有効的な手法と言えるでしょう。
ファブレスを成功させるには、品質管理や委託先との信頼関係がポイントです。
委託先の企業とよいコミュニケーションを図ることで、品質のよい製品を提供できます。
Author
FAVORRIC編集者
Tags
ファブレス
こちらの記事もおすすめ
Category
ウールラグ
クッションカバー
マルチクロス
ビーズクッションtetra
アートブランケット
フラットサブバッグ
ガーゼケット
掛け布団カバー
ピローケース
日傘(晴雨兼用)
キッチンクロス
ミトン&鍋敷き
エプロン
ランチョンマット
フラットポーチ
化粧ポーチ
ルームサンダル
ソファ&オットマン
舟形トートバッグ
今治タオルハンカチ
陶器
漆器
Want To Receive More Travel Guidance?
Follow us to receive the latest update on our journey experience